カレーとマグロの調和にたまげた。好きな食べ物の話。

   

「今日の夜何食べたい?」

「ん?マグロ」

学生時代、実家で何度も耳にする私と母親の会話。
私は物心ついた時にはマグロが好きになっていた。
もちろん今でも大好物で、大晦日は毎年築地まで行ってマグロを食べる(上の写真は今年の築地まぐろ)。

私の父親の実家は岩手県釜石市。
海の幸が美味しい地域で、子供の頃は夏休みになると毎年祖父母の家に帰省した。
じいちゃんには毎日おもちゃを買って遊んでもらい、ばあちゃんは毎日マグロを用意してくれた。

「こうちゃんマグロ好きだっぺ。いっぱい食ったっけ」

そう。わたくし「こうちゃん」は、おもちゃとマグロを与えられてスクスク育ち、
鬼のように甘やかされて育ったゆとりの中のゆとり

幼いころは、
親の目を盗んで、冷凍のマグロをかじりつくしたり、


赤身のマグロが好きすぎて、生肉を焼こうとすると泣き叫んで止めようとしたり、


「マグロの刺身につける醤油=好き」という理由で、実家の近くにあるキッコーマンの醤油工場で働こうとしていた時期もあった。


毎年親戚が集まると話題にあがるエピソードだが、こうやって文字に起こしてみると、だいぶヤバいことに気付く。

マグロとくにクロマグロは2014年に絶滅危惧種に認定された。
世界で取れるマグロの3分の1を消費する我々日本人にとっては、かなりショッキングなニュース(少なくとも私にとっては死活問題だ)。

しかし、世のマグロ信者の皆様。ご安心ください。


日本にはクロマグロの完全養殖に成功した「近畿大学」がいる。(余談だが近畿大学のHPは超かっこいい)

出典:http://www.pressnet.or.jp/adarc/ex/ex.html?a1080

 

「完全養殖」とは、養殖で育った親が生んだ受精卵から、数十キログラムの成魚になるまで育てるもの。
つまり、「無限クロマグロ」が実現した。


梅田と銀座にある「近畿大学水産研究所」では、近大クロマグロをはじめ多くの養殖魚を楽しむことができる。
何度かお店の前を通ったことがあるが、連日行列を作っている。

 

【海のダイヤ:近大マグロ】

出典:http://kindaifish.com/

 

【近畿大学水産研究所】

出典:http://kindaifish.com/

 

「海を耕せ」

これは、戦後食糧がない時代に近畿大学初代総長の世耕弘一さんが掲げた理念。
この理念のもと、32年の歳月をかけてクロマグロの完全養殖に成功した。
偉大だ。

どうして私がマグロについて語り出したかというと、先日参加した塩谷舞さんによる「WEBライティング講座」で、ある課題が出されたからだ。

内容は、近畿大学と第一パンがコラボして「カレーパン」を作ったので、記者会見の内容を記事にするというもの。

もちろん近畿大学が関わるということは、マグロが食い込んでくるわけだ。

近大のコラボ商品は、普段は使わないような部位を活用する。


クロマグロの皮は財布になり、コラーゲンはリップクリームになるなど、マグロを余すことなく活用している。


そんな近大のクロマグロを全面に押し出したカレーパンが私の目の前に差し出された。

「近大マグロ中骨だし使用」「和風焼きカレーパン」

なるほど。

今度は近大クロマグロの「骨」を活用したカレーパンということか。

のぞむところだ。

マグロに育てられたと言っても過言ではない私が、感じたままを記事にする。

そして記者会見が始まった。

左側に立っているのは近畿大学広報の坂本さん。

近大を象徴するような、ユーモアとフットワークの軽さを持つ方だということは、少しお話を聞いただけで分かった。

なんせ話が面白い。ぜひとも一緒に飲みに行きたい。

ズカズカ前に出ていって、パシャリ。

そして右側に立っている第一パンの佐藤さん

8か月間改良に改良を重ね、試作品を食べ続けて今回のマグロカレーパンを完成させた。


マグロの風味を残すために「揚げ」ではなく、あえての「焼き」カレーパン。


見た目のインパクトを出すためにパッケージは、食べ物にはあまり使われない青バックにでっかく「マグロどーん!」

 

味もかなり良かった。


個人的に揚げたカレーパンを食べた時の油が口の周りにつく感じが、あまり好きではないのだが、焼きカレーパンなので、あっさり食べやすい。


マグロ中骨だしの風味と和風カレーが、相乗効果でお互いの良さを引き出し合っている


トッピングのゴマとチーズも口の中で合流して、フィルハーモニーなのだ。


そんなに大きく作られているわけでもないので食後に「もう一個食わしてくれ!!!」と咄嗟に言いたくなるぐらい美味でした。

 

マグロ人間からすれば、もっとマグロ感強くても全然良かったのですが、大きさも材料の割合も計算されたものでしょう。脱帽。

世耕弘一さん「海を耕せ」から始まり、第一パン佐藤さんの「マグロどーん!」で世に送り出された「近大のマグロカレーパン」。
日本だからできる一品です。


近所のスーパーで青いパッケージを見かけたらぜひ。

 

ありがとう、近畿大学。

ありがとう、第一パン。

マグロよ。ありがとう。

 - life

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